2020年08月10日

カルテと開示請求 第13回附録 カルテ開示に関する主な法令・通達・基準等

法律・命令

個人情報の保護に関する法律
 https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=415AC0000000057
独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律
 https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=415AC0000000059
個人情報の保護に関する法律施行令
 https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=415CO0000000507
個人情報の保護に関する法律施行規則
 https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=428M60000000003
独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律施行令
 https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=415CO0000000549


ガイダンス

個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)
 https://www.ppc.go.jp/files/pdf/190123_guidelines01.pdf
医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス 
医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」に関するQ&A(事例集)
 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines/#iryokanren
 

通達

「診療情報の提供等に関する指針」(「診療情報の提供等に関する指針の策定について」(平成15年9月12日医政発第0912001号)
 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3403&dataType=1&pageNo=1
「診療情報の提供等に関する指針について(周知)」(平成30年7月20日)(医政医発0720第2号)(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医政局医事課長通知)
 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc3511&dataType=1&pageNo=1

posted by KINO Ryosuke at 17:08| Comment(0) | 個人情報

カルテと開示請求 第13回 総括

 これまで12回に渡りカルテと開示請求につき検討してきましたが、今回は最終回としてこれまでの総括を行います。

 カルテ(診療録)の開示は、(1)個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)、および(2)民法、の2つの法律によって基礎づけられています。

 (1)個人情報保護法においては、カルテ(診療録)が通常個人データに該当することから、個人情報取扱事業者である医療機関(診療所を含む)は個人情報保護法第28条の定めに基づき、本人からの個人データの開示請求としてのカルテ開示の請求に応ずる義務があります。
 開示に際しては、a)手続きを定めること、b)手数料を徴収することが認められていますが、a)手続きについては本人に過重な負担となることのないようにすること、b)手数料は実費を勘案して合理的な範囲とすることが求められています。

 (2)民法においては、準委任契約に顛末報告義務が認められていることから、準委任契約である診療契約に基づく顛末報告義務として診療録の開示を求めうる場合が存在します。
ただし、顛末報告義務の履行は個別の事案に応じ適切な方法にて行うことが認められていることから、診療録の開示による顛末の報告が常に求められるものではありません。

 最後に私見を述べさせていただきますと、日本においては診療録の開示がさらに促進されるべきと考えます。
 自己コントロール権の権利性等との論点を差し置くとしても、例えば「患者ポータル」(Blue button https://www.va.gov/bluebutton/ など)が普及した米国等と比較し、日本においては個人に関する通時的な健康情報を集約・管理する制度の整備が不十分です。

 そうすると、患者本人がみずから情報を収集・蓄積し、自身の健康情報にかかる情報センターとなる必要があり、そのような情報収集の実現のためにも診療所レベルにおいても診療録の開示が徹底されるべきと思われます。
無論、日本においても患者ポータルの実装が進展すれば事情は異なるでしょうし、実際に患者ポータルの実現にも帰結する地域医療情報システムの構築も試みられていますが、特にプライマリヘルスケアを担う診療所にてはシステムへの接続を維持するコストの負担が重く、一旦開始された事業が中止されることも多い状況です。
 当面患者の側にて情報を管理する必要がある状況に変化は訪れないのではないでしょうか。


 次稿に附録として、カルテ開示に関連する法令・通達・基準等をまとめました。ご自身で調査される際や、このブログの記事を読まれる際の参考にして下さい。
posted by KINO Ryosuke at 17:01| Comment(0) | 個人情報

2020年07月31日

カルテと開示請求 第12回 各論(2) 医師の説明・立ち会いが必須であると言われた場合

 今回は各論の2回目として、カルテ開示に際して医師の説明・立ち会いを必須とすることの是非について解説します。前回同様、過去の記事をお読み下さった方には重複する内容となってしまいますがご容赦下さい。

 結論から言えば、2020年現在では医師の立ち会い・説明を必須とすることは不当と考えられます。
 2018年7月20日の厚生労働省通達「診療情報の提供等に関する指針について(周知)」(医政医発0720第2号)にて、
「医師の立ち会いを必須とすることは、患者が診療記録の開示を受ける機会を不当に制限するおそれがあるため、不適切であること」
 との見解が示されているためです。


 特に、医師の立ち会いを理由として、開示の方法や閲覧の時間を制限したり、立ち会いにかかる人件費相当額を「費用」に含めているような場合は患者の閲覧を受ける権利を制限していると認められるものと思われます。

 無論、カルテの記載内容の確認や医学的事項の理解のために必要であるなら、患者の側から医師の立ち会いを求めることは否定されるべきではないでしょう。しかし、対価を支払い診療録の開示と併せて詳細な解説を受けるか、あるいは医学的事項につき独自の調査等の負担が生じたとしても一旦比較的低廉な支出にて診療録の開示をうけるかの選択は患者に委ねられるべきといえます。


 以下は若干実定法の範囲を超えた私見となりますが、個人情報保護法の理念は個人の自己コントロール権の実現にあり、本来個人(本人)に属する情報の本人による管理を実現するのが開示請求権であり、訂正請求権であるわけです。そうだとすると、個人情報の開示請求に際し、理由を尋ねたり、その他の負担を課したりすることは不当といえるでしょう。

参考

厚生労働省「診療情報の提供に関する指針」
 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb3403&dataType=1&pageNo=1
厚生労働省「診療情報の提供等に関する指針について(周知)」
 https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc3511&dataType=1&pageNo=1
posted by KINO Ryosuke at 09:00| Comment(0) | 個人情報