2020年07月22日

カルテと開示請求 第11回 各論(1)「カルテ開示はやっていない」と告げられた場合

 第11回以降は、各論として具体的な事例を挙げ解説をしてゆきたいと思います。すでにこれまでの記事をお読みいただいた方には自明の内容とはなりますが、事例ベースでの検討としてご容赦下さい。

〜「カルテ開示はやっていない」と告げられた場合〜


 まれに「カルテ開示は実施していない」あるいは「検討する」という医療機関に接することがあります。

 しかしながら、医療機関は個人情報保護法上の個人情報取扱事業者であり、当該個人情報取扱事業者の保有する個人データであるカルテの開示は個人情報保護法上の義務ですので、医療機関の裁量で実施を決定することはできません。
 いうなれば、「うちは有給休暇やっていません」と同様の発言だと捉えてよいでしょう。

 また、2015年の個人情報保護法の改正によって、法28条の開示については請求権であることが明確化されました。開示に応じない場合、民事訴訟にて開示を請求することもできます。

 現実問題としては、直ちに訴訟に訴えることは困難でしょうから、医療機関がカルテ開示を拒む場合、まずは法的義務であること、訴訟上請求できることを説明し、法律家に相談の上回答するよう依頼するのがよいかもしれません。特に、医師や医療機関は医学の専門家ではあっても、法律の専門家ではありませんし、個人情報保護法自体も改正を繰り返していることから、知識に誤りがあってもやむを得ない面がないともいえないでしょう。

 また、上記のような説明を行っても検討すらなされない場合、個人情報保護委員会の設置する個人情報保護相談ダイヤルに相談し、斡旋を依頼するもの手段の一です。

 <個人情報保護相談ダイヤル>
 電話 03-6457-9849
 受付時間 9:30〜17:30(土日祝日及び年末年始を除く)
 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/pipldial/

posted by KINO Ryosuke at 07:00| Comment(0) | 個人情報
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